古文の話
JAPANESE
国語 《中学1・2年生対象》
古文と聞くと、それだけでアレルギーを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それもそのはず。普段使ってる言葉にはない、古来の表現、つまり『歴史的かなづかい』というものが使われているからです。
今回は、それらを具体例を用いながら紹介し、みなさんの郷愁を呼び起こそうと思います。
う〜ん…ムズかしそうだ!
【古文 これだけ知っておこう】
■発音の基本に触れましょう
『はひふへほ』と発音について難しく感じる点があります。
山ぎは → やまぎわ にほひ → におい てふてふ → ちょうちょう(蝶々)
一番わかりづらいのは、この中では『てふてふ』ですね。
他にも『けふ → きょう(今日)』などがあります。この二つを暗記しておけば、あとは日常会話に非常に近い言葉なので、発音していく内に目も耳も慣れてくるはずです。
発音しましょう。日本語の美しさは、発音にあるのですから。
■文法に触れましょう
@をかし
平安時代での使われ方は『趣(おもむき)がある』でした。
これは、現代日本人が忘れかけてる感覚で、今風に言い換えれば『雰囲気がある・美しい風景である』ということです。
室町時代では狂言が流行したこともあり『滑稽である』という意味で使われ始めます。
これも今風に言い換えれば『面白おかしい・ユーモアがある』ということです。
Aいと
『とても』の意味。をかしとセットで『いとをかし → とても趣がある』などと使われる。
Bあはれ
目や耳で感じた『趣や哀愁(さびしさ・はかなさ)』を表す。
■最後に助動詞(動詞に意味をつけ加える言葉)について。
これが学生に最もきらわれるもので、暗記事項となります。やはり3つほど挙げてみましょう。
@たり
完了(〜た・〜してしまった)の意味を表す。
<例> しれ者は走りかかりたれば(ばかものは走りよって飛びかかったので)〔枕草子・九段〕
Aたり
存続(〜している・〜してある)の意味を表す。
<例> さのみやはこもりたらんとする(そのようにこもってばかりいることはありません。)〔枕草子・十八段〕
Bなり
断定(〜だ・〜である)の意味を表す。
<例> 負けじとうつべきなり(負けまいと打つべきである。)〔徒然草・百十段〕
これらの言葉は動詞(動きを表す言葉)に続いて、意味をつけ加えます。その意味を覚えておくことが、古文を理解する大事なポイントになるわけですね。
体で覚えていこう!
発音すること
文法(言葉の決まり)を知ること
助動詞を知ること
これらのポイントを抑えて古文を読むと、日本人なら誰もが心にもつ、感動する気持ちや雰囲気を感じ取るという習性を、あなたも知ることができます。
古文は、昔の知識ではなく、日本の心を知る学問なんですね。
和の心に触れられたかな?
大事なのは知る気持ちだよ。 |