#33

ミョウバンの結晶をつくろう!

今回の理科実験は、ミョウバンの結晶をつくります!

今回は、自宅でもミョウバンの結晶を観察できる装置をつくります。
《材料》
■生ミョウバン 1個
■導線 1個
■ろ紙(コーヒーフィルター)
■プラスチックの容器
■割りばし

材料

今回の実験は、危険性がほとんどないため、ご家庭でも手軽に実験でき、かつ、成功が目に見えるという、理科実験にしては珍しい性質を備えた内容となっています。
この実験の原理は、析出と呼ばれる特徴を用います。まず、60℃くらいの水温にした水に、底に溶け残りができるまで溶質を溶かします。100gの水に100gのミョウバンを溶かすのが目安です。ミョウバンは温度が上がると飛躍的に溶ける量が増える特徴があります。

ミョウバン

こちらは生ミョウバンと呼ばれるもので、よく見ると少し規則性のある結晶になっています。今回は、これを大きな結晶にするのが目的です。

結晶を吊るす

写真は小さな結晶を、導線にくっつけたものです。くっつけ方ですが、導線をライターやコンロの火であぶり、熱したものを小さな結晶に付ければ、結晶が少し溶けてくっつきます。やけどの恐れがあるので、ピンセットや割りばしを使って熱しましょう。

飽和水溶液を作る

写真は、60℃くらいに熱した水に、ミョウバンを溶け残りが出るまで溶かしている様子です。この溶液のことを飽和水溶液といいます。これが、結晶が大きくなるための養分となるのです。熱いので、十分に気を付けてゆっくりかき混ぜながら溶かしましょう。

吊り下げた様子

写真のように、折った割りばしにミョウバンをくっつけた導線を吊るします。ここに、先ほどつくった飽和水溶液をろ紙を通して流し込みます。流し込む量は、結晶が浸かるくらいです。ゆっくりと注ぎましょう。また、飽和水溶液がある程度冷めるのを待ちます。温かいものが冷えることで、元の結晶の周りに新たな結晶がつき、大きくなります。
また、この時、飽和水溶液の溶かし方が甘いと、吊り下げた結晶も溶けてしまうので、溶け残りがあることを確認してから注ぎましょう。

浸した様子

写真のように、結晶が浸るくらいまで飽和水溶液を注ぎます。後は、このまま風が吹かない、室温を保てる場所に数時間あるいは数日放置します。結晶ができるには時間がかかります。また、結晶ができるまでの間は、ホコリがたたないことも重要な要素です。
ホコリが立つことが、結晶ができない最大の理由となります。

結果

写真は、実験開始から一週間が経ったものです。結晶の大きさが倍以上になりました。また、結晶の形も規則性が出ており、飽和水溶液の中で新たに育ったことがよくわかります。結晶の周囲にも小さな結晶がついていますが、元になる結晶がないため、小さなままです。これも大変興味深い特徴です。

上手に飽和水溶液が作れたかな?!
結晶が大きくなったかも、注目だよ!
みんなも挑戦してみてね!!